【留学体験記】UC San Diego - 心理学・分子生物学専攻(Pre-Med)- もりりん

はじめに

みなさんこんにちは!

日本人留学生の、留学を目指してから現在にいたるまでのリアルを発信する “留学体験記”シリーズ。今回はその第5弾です。

今回は、Santa Monica CollegeからUC San Diegoに編入し、Pre-Med (アメリカ医学部準備コース)として心理学と分子生物学をダブル専攻している"もりりん"さんです。最初はFilm (映画)専攻からスタートし、心理学・分子生物学。Pre-Medに至るという日本人留学生の中ではかなり珍しいケースの留学体験記となっています。

プロフィール

  • 名前:もりりん
  • 出身:兵庫県
  • 経歴:
    • 2019年3月 高校卒業
    • 2019年8月 Santa Monica College入学
    • 2023年9月 UC San Diego編入
    • 2024年4月~2025年1月 休学
    • 2027年3月 UC San Diego 卒業予定
  • 専攻:
    • 渡米時:映画系専攻
    • 編入以降:心理学・分子生物学(Pre-Med)のダブルメジャー

留学までの道のり

幼少期〜中高時代について教えてください。

自分は兵庫県出身で、小学校ぐらいの頃から「いつかアメリカに行きたい」って思っていました。とはいえ、いきなり留学に一直線だったわけじゃなくて、中学高校では吹奏楽に入っていて、とにかく忙しかったです。年中、部活の練習中心で動いていました。

それでも海外への関心はずっとあって、高1のときに初めてLAに行きました。これは留学というより「遊び」で。現地の空気を吸ったのが最初の大きな体験でした。高2のときは地元のプログラムみたいな形で、2週間くらいフェニックスに行く機会もあって、「やっぱりアメリカっていいな」って感覚が少しずつ固まっていきました。

海外に興味を持ったのは、親のスタンスも大きかったと思います。特に母親がオープンマインドで、「海外に行けるなら行けば?」というタイプでした。本当は中学から行ってもいいんじゃないかくらいの勢いだったと思います。自分は吹奏楽に入ってしまったのでタイミング的に難しかったけど、家族が背中を押してくれる空気感はずっとありました。

ちなみに吹奏楽ではクラリネットをやってました。アメリカにも持ってきたけれど、ここ最近はケースに眠ってます。

留学しようと思ったきっかけを教えてください

「これがきっかけ!」みたいな一瞬があったというより、自分の場合は最初から日本の大学に行く気があんまりなかった、が近いです。大阪にある国際系の高校に通っていて、周りも海大の大学を視野に入れている人が多かったので、高校に入る時点で進路としては海外を見ていました。

ただ、当時はコミュニティカレッジ(コミカレ)の存在を知らなくて、どうやって大学に行こう、SAT(アメリカ版の共通テスト)どうしよう…みたいに悩んでいました。そこで「コミカレっていう選択肢があって、SATが不要で、入りやすい大学もたくさんあるらしい」と聞いたのが大きかったです。

しかも、自分の高校に留学という形で来ていたアメリカ人の子がいて、その子が「高校終わったらサンタモニカカレッジっていうコミカレ行くよ」って最初から言ってたんですよね。「知ってる人がいるなら安心だし、いけるやん」という感じで、その子が行くサンタモニカカレッジに即決しました。

留学を決めた時の周囲の反応はどうでしたか?

正直、自分の周りでは海外大進学の中でもコミカレにいく行く人がそんなに多い環境じゃなかったので、珍しさはあったと思います。

高校自体は英語に力を入れていたんですけど、周りはSAT受けてそのまま進む子が多くて、自分はその流れに乗らなかった。だから途中から「自分だけ別ルート」みたいになって、ちょっと心細さもありました。そういう不安を埋めるために、TOEFLの学校に通い始めたところもあります。

コミカレ入学までどのような準備をしていたか、過ごし方を教えてください。

自分は高校生のときから大阪にあるTOEFL対策の学校に通っていました。高校の英語だけじゃなくて、テスト対策として数ヶ月継続してやってた感じです。

高校卒業後は、3月に卒業して、半年ぐらいアルバイトをしてました。今振り返ると、あの期間は「一番楽しかった」って言えるくらい、気持ち的に余裕があった時期だったかもしれないです。

その後、8月に渡米しました。留学生オリエンが妙に早くて、授業開始は8月末なのに、8月の頭に「来て」みたいな感じでした。でもその分、早めに現地で友達もできて、遊んだりして、早めに慣れることができたのは良かったです。

渡米後について

メジャーはどのように決めたかと、今ダブルメジャーをしている理由を教えてください。

最初はフィルム系(映画)に興味がありました。ハリウッドが近いし、昔から音楽もやってたので「映画×音楽(サウンドトラック)」みたいな世界に憧れがあったんです。

でも、現実を見るとフィルムの世界ってコネがめちゃくちゃ強い。最初からLAの監督やディレクターが集まるような場に出入りしていて昔から知り合いですという子もいて、「自分のいる場所、ここじゃないかも」って思うようになりました。さらにコロナで業界全体が打撃を受けて、将来の不安もリアルになってきて。結果、「映画は観る側でいいかな」と思って方向転換しました。

そこから心理学(Psychology)に変えました。人の心理や行動の仕組みが面白くて、「どうやって心と行動って繋がってるんだろう?」っていう興味が強くなったからです。

ただ、自分はずっとPre-Med(医療系進学ルート)も意識していたので、結局STEM科目を一通りやることになりました。高校では理系をかなり捨てちゃってたので、アメリカで「もう一回学び直し」になったんですが、それが逆に良かったです。高校のときは正直何言ってるか分からなかった内容が、こっちで学び直したら「分かる気がする」になって、むしろ続けられそうって思えました。

そして編入後は、心理学と分子生物学のダブルメジャーです。分子生物のメジャーを追加したのは2025年の春学期です。理由ははっきりしていて、自分は卒業後に心理学関連の仕事をしたいわけじゃなくて、ラボで働きたいと思うようになったからです。ラボで働くなら、生物系のバックグラウンドはほぼ必須だと思ったからです。最初は副専攻でいいかなと思ってたけど、進路を考えるほど「専攻にした方がいい」と判断しました。

Pre-Medについて教えてください。準備はいつ何をしましたか?

まず大前提として、アメリカの医学部は大学卒業後に医療系オンリーの大学院である「メディカルスクール」からスタートします。日本のように高卒直後で医学部6年間をやるのとは違います。

メディカルスクールへ進学する準備として学部のうちはPre-Medical (通称Pre-Med)として必須科目を取ります。学部4年間が終わってから、MCATというメディカルスクール専用の共通テストを受けて、そのスコアに応じて出願します。Pre-Medは卒業証書に書かれる専攻や副専攻としてあるわけじゃなくて、「メディカルスクールに行くために必要な科目を揃えるルート」っていう感じです。

だから、学部生として大学に入学ときも「Pre-Medで出願する」みたいなことはなくて、大多数は生物系の専攻で大学に入って(一部の人は別メジャーで入って)Pre-Medとしての必要科目を取ってたりします。大体は、実際、学部時代は音楽専攻だけど、Pre-Medとして生物や化学などをとって準備して医学部に行く人はいると聞きます。

必要なのは、ざっくり物理、化学、有機化学、生物化学の理系科目と心理学などの社会学の一部が軸になっています。

コミカレ時代University時代の学業を振り返ってどうですか?

コミカレは合計で4年行きました。自分の場合、コロナ禍で帰国を余儀なくされた時期もあったこと、途中で方向転換もあったので、結果的に平均的に2年のところ長めになった感じです。

勉強量で言うと、正直コミカレ時代の方が勉強してたと思います。理由はシンプルで、コミカレ卒業だけだと「何も残らない」感覚があって、とにかく編入しないといけない、成績を取らないといけない、っていう焦りが強かったからです。

一方で大学(UCSD)に来てからは、授業のレベルが上がって「頑張ってもAが取れない」感覚になりました。

コミカレは頑張れば点が取りやすかったけど、UCSDは頑張ってもA−とか、そもそもAが簡単じゃない。しかもコミカレではABCに+や-がなかったので、A−が3.7で、A+もAも4.0っていうのがいまだに納得いかないです。最近は「B取れたらOK」くらいに切り替えてる部分もあります。

授業数は、編入してすぐは新生活と以前の学校とは違う4学期制に慣れるために3クラスでやってました。今は基本4クラスが最低ラインで、大体5クラスとります。

勉強のモチベーションの保ち方

自分は「目的がはっきりしてると頑張れる」タイプだと思います。コミカレのときは、編入のためにGPAが必要で、その“必要性”がそのままモチベーションでした。

UCSDに来てからは、授業が難しくなるほど「頑張りが点に直結しない」瞬間も増えたけど、その分、長期的には「何をしたいか」に立ち返るようになりました。自分の場合はラボで働きたいから、そのために必要な科目を落とさない、積み上げる、っていう現実的な意識が支えになってます。

あと、これは反省込みで、ずっと風邪が続いたクォーターではは、力を抜いちゃったっていうこともありました。無理しすぎないことも、長期戦では大事だなと思ってます。

普段の生活について教えてください。

学期中は授業ががっつり入っていて、通学も往復で2時間くらいなので結構忙しく過ごしています。

普段は、授業と課題が中心だけど、趣味はずっと音楽です。自分は4歳からピアノを弾いていて、UCSDの音楽の練習室にけっこう通ってます。音楽って集中できるし、脳の活性にも良いって聞くので、勝手に「これは自分に必要」って思って続けてます。

課外活動などは何をしていますか?

Instructional Assistant(IA)をやっています。自分が取っていたセルバイオロジーの授業でポジションが空いて、「どう?」って声をかけてもらって、アプライしたら通った形です。単位ももらえるのは普通に嬉しいポイントです。教授とも関わるので、コネクション作りの意味でも大きいと思ってます。

それと、バイオの研究室でボランティアもしています。

今後の進路について教えてください。

Pre-Medですが、医学部課程よりも研究者としての道を目指しています。

特に研究したい分野は免疫学です。従来の抗がん剤治療では、がん細胞を殺してくれるけど、作用が強すぎて患者自身の体にも大きなダメージを与えてしまうのが現状です。治療をしなければいけないけれど、その治療に耐えきれない、苦しむという方が多いのが現状です。反対に、免疫療法は、患者さん自身の体にもともと備わっている免疫の力を利用して、がん細胞を攻撃したり、免疫の働きを助けたりする治療法です。

免疫学の研究をしている研究室に入りたいから、学部のうちに研究をしたいと思い、今は教授に相談しながら準備を進めています。免疫学での研究室に入れれば一番嬉しいですが、研究をしたという実績と経験の方が大事なので、とにかく色々なラボ・研究室に連絡して出願する予定です。かなり大変な道ではあるので、100通くらいは出すと思います。

自分の中では、学部卒業後はラボで働くという意思がかなり強いです。だからこそMolecular Biologyを足して、研究室のポジションを探すという今の選択につながっています。

卒業後は、修士課程の進む代わりに、大学などの研究室でSTEM OPT制度で勤務して経験を積んで、ゆくゆくはPhD(博士課程)にアプライしたいと思っています。

修士の代わりに研究室から博士を目指すという進路についてもう少し詳しく教えてください。

基本的には、学士、修士、博士と進みます。博士課程は研究者・担当教授のアシスタント扱いなので給与をもらって研究ができます。ほとんどの人が修士に進んだ上で博士に進むのは、博士に出願するのに研究経験が必要だからです。

詳細は大学にもよるけれど、制度上は学士からいきなり博士ということもできます。ただ、アメリカの大学の学部課程だと、専門の科目数が多めで卒業間際まで単位がしっかりあることが多くて、それに加えて1年かそれ以上の研究まで加えるのは大変です。「学部の卒業単位として使える研究室での単位は1学期分まで」のような限度であったりもします。特に自分みたいな編入生として後から入った立場だと在学期間が短い中で工面するのはもっと大変です。

だからこそ、ほとんどの人は博士に進むための研究をするためという目的で修士に行く。けれど修士は普通に時間も学費かかる。

そこで博士ではなく一旦、大学などの研究室で働くというルートを考えています。こちらもかなり競争率は高いので大変です。その研究室への就職というルートを叶えるためにも学部時代に大学内の研究室に入ろうとしているわけです。

これまでの留学を振り返ってどうでしたか?

2020年にコロナで一回帰国して、オンラインで授業を受けながら働いて…っていう時期もあったけど、結果的に「オンラインだったからGPA維持しつつ、進路についてじっくり考えられた」って思える部分もあります。想定外の環境でも、うまく使えばプラスにできる、という学びでした。

一番大きいのは、「進路って途中で変わってもいい」って体感できたことです。FilmからPsychology、そこからMolecular Biologyまで来たけど、その都度ちゃんと理由があって、自分なりに納得して選び直してきました。

あと、コミカレと大学で、学びの感覚が全然違います。コミカレは努力が点になりやすいけど、大学は努力しても簡単に報われないことがある。そのギャップを経験できたのは、しんどいけど大事でした。

後輩へのアドバイス

自分が言うなら、いちばん伝えたいのはこの2つです。

  • 最初から完璧な計画がなくても、走りながら修正できる。フィルムからスタートしたけれど、実際にやってみて違うと感じたら、心理学に変更し、分子生物学とPre-Medという領域を見つけて頑張れています。
  • コネクションは本当に大事。これはフィルム専攻中でも痛感したことで、Instructional Assitantのポジションが決まった際にも思いました。結局、人が次の機会を連れてきます。授業だけじゃなくて、教授やTA、同級生との関係を大切にした方がいいです。

あとおまけで、遅刻は命取りです。自分はラボ(実験の授業)で初日に15分遅刻してドロップになったので…これは教訓です。

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