アメリカインターンのすゝめ ~インターン獲得編~

はじめに
アメリカ留学生にとって、現地でのインターンを獲得することは、一つの目標だと思います。
アメリカでのインターンを獲得できれば、企業からお金をもらいながら、自分のスキルを磨くことができます。
また、インターン参加者は高確率でリターンオファー(新卒としての採用)も獲得でき、今後のキャリアの大きな一歩となります。
このように、学生にとって魅力的なアメリカインターンですが、当然人気が高く、留学生にとってはかなり難易度が高いと言えるでしょう。
今回の記事では、そんなアメリカインターンの獲得のための流れを、
2024年夏シアトルでのサマーインターンを獲得した筆者が、詳細に解説していきます!
インターンとは?
そもそも、アメリカのインターン特に今回紹介するサマーインターンとは、どのような内容なのでしょうか。
サマーインターンとは、アメリカの大学生が夏休み中(5月 - 8月 or 6月 - 9月)の3か月間で参加する企業のプログラムで、
1日8時間、週5日の正社員と同じ時間、3か月間だけ働きます。
もちろん有給で、会社のオフィスに社員と同じく実際に出社することが多いです。
ただ、内容に関しては、大学生は技術的に正社員に劣るため、学生が勉強しながら仕事に触れることができるような内容になっています。
学生側としては、勉強しながらお金を稼ぐことができ、
企業側としては、新卒採用候補を見つけることができるといったメリットがあります。
学生ビザでも、サマーインターンは学校の勉強の延長とみなされるため、合法的にお金を稼ぎながら働くことができます。(F-1 CPT)
準備物
それでは早速、アメリカインターンを探すうえで、必要になってくるものをまとめていきます。
インターン獲得に向けて、何から始めたらよいか迷ったら、ここから始めましょう!
- Resume (必須)
- 基礎的なスキル (必須)
- Cover Letter (任意)
- Referral (任意だがおすすめ)
それでは、これからこれらの詳しい説明を書いていきます。
Resume (必須)
Resumeとは?
まず、企業を受けるうえで必ず提出しなくてはならないものは、このResume (レジュメ)です。
まず見た目はこんな感じです。
このテンプレートへはコチラよりアクセスできます。
このようにレジュメには、自分の学歴や経験を記載することで、企業の採用担当の人に、自分の能力をアピールするために使われます。
企業への応募の際、このレジュメの提出が求められるので、必ず準備しておきましょう。
それでは、レジュメにはどのような情報を記載すれば良いのでしょうか?
大学生のレジュメでよく目にするのが、このような情報です。
- Personal Information (名前、email、 居住都市、Linkedin、Github等)
- Education (学歴、取った授業、学校での受賞歴等)
- Experience (インターン等の経歴、基本的には経験が新しい順で書く)
- Projects (アプリ開発等のプロジェクト)
- Skills (ハードスキル、ソフトスキル等をまとめて)
必要に応じてこのような情報を記載することもできます。
- Objective (仕事探しのゴールの簡単な説明、だいたいPersonal Infoの下に書きます)
- Awards and Honors (受賞歴)
- Research Experience (研究経験)
レジュメに記載する内容には、特に決まりはないため、応募するポジションに合わせて、内容を変更することも重要です。
ただし、上に示した5つの項目は、基本的に全て入れるべきでしょう。
日本のESと違い、志望動機等を書かなくてよいことは、とても楽だといえます。(時々、必要な企業もありますが、、、)
レジュメを書く上での注意点
1. 長すぎないレジュメを作る
レジュメは長すぎるべきではなく、理想的には1、2ページ以内にまとめることを目指しましょう。
各経験の説明の時も、箇条書き4、5個分くらいの説明で、かつ簡潔に書きましょう。
僕の友人のIT大手インターン獲得者もレジュメは基本的に1ページ、長くても2ページではまとめていました。
2. 重要なことは最初に書く
経験等の中で、アピールしたいことは、最初に書きましょう。(箇条書きの最初に持ってくる等)
採用担当が目を通したとき、一番重要な項目が最初に目につくようになります。
3. アクション動詞や、目立つ単語を多く使う。
たとえば、エンジニア系の職種に応募する場合、"Developed"や"Implemented"のようなアクション動詞を使うと、アピールしやすいです。
自分の使った技術等や、自分の活躍による企業へのインパクトを書くことも重要です。
最近では、Resumeでの書類選考は、AIが行うことが増えてきており、このような目立つ単語が入っていると、AIへのアピールにもつながります。
たとえば、こんな感じでまとめると、良いでしょう。(テンプレートからの抜粋)

成績に関して
レジュメに関して、よく聞かれる質問として、学校の成績(GPA)は載せるべきか?というものがあります。
これに関しては諸説ありますが、良けれ載せるというのが一般的です。
基準としてGPA3.5より上なら、載せる人が多いようです。
ただし、企業側は、成績だけで合格を決めるケースは少なく、あくまで一つの目安にするくらいの意味合いで、
たとえレジュメに成績を載せていなくても、それがマイナスになることはほとんどないと思われます。
(ただし、GPAを応募の時点で聞いてくる企業もありますが、、、)
優先度としては、インターンや過去の経験等の方が大きく上で、たとえ成績が悪くても、
課外で多くのことをしている人のほうが、圧倒的に選考において有利です。
基礎的なスキル (必須)

さて、良いレジュメが完成したら、次に必要なのは基本的なスキルです。
技術職の場合、レジュメでの書類選考通過後は技術面接があります。
その時、技術的な質問に答えられるよう、ある程度の基礎知識は必要になります。
どの程度の知識が必要かは企業によって異なるので、応募したいポジションの募集用要項を確認しましょう。
ちなみに画像は、ソフトウェアエンジニア職を目指す学生が、コーディングの練習につかうLeetCodeというサイトです。
詳しくは面接のセクションで解説しますので、ここでは技術面接があるということを知っておきましょう。
Cover Letter (任意)

多くの企業では、レジュメの提出と一緒に、任意でCover Letter(カバーレター)の提出を認めています。
こんな感じの見た目で、レジュメでは書ききれなかった情報を書きます。
Cover Letterに関しては、日本語で分かりやすい解説を見つけたのでリンクを貼っておきます。ぜひご参照ください。
カバーレター(cover letter)とは?正しい書き方ガイド 【テンプレート付き】
こちらの記事で解説されている通り、カバーレターでは、
「自分の氏名・連絡先」「日付」「宛名・宛先」「担当者名」「件名」「本文」「結びの言葉」「署名(自筆・タイピング)」「同封書類の案内」
を含めることが一般的です。
カバーレターは任意ではありますが、レジュメに加えた採用担当へのアピールになるため、志望度の高い企業への応募では、必要になるでしょう。
Referral (任意)

Referralとは
さて、企業への応募で必要な最期のピースはReferral(推薦)です。
アメリカの多くの企業では、社員が知人を採用担当に推薦するReferralの制度があります。
アメリカの企業へ応募した場合、多くの場合書類選考で落ちることになりますが、Referralを貰って応募した場合、かなりの確率で次の面接選考へ進むことができます。
では、Referralは知人が応募したい企業で働いていないと、貰えないのでしょうか?
もちろん、そのような状況が理想的ですが、実際は学生のうちに社員さんと繋がるのはなかなか難しいです。
ではどうするのか、
LinkedIn等のSNSで、Referralをくれる人を探しましょう。
LinkedInを使えば、応募したい企業で現在働いている先輩を簡単に見つけることができます。
続いてRederralの貰い方と注意点を
Referralの貰い方と注意点
1. Referralをくれる人をLinkedIn等で見つける。
その際、おすすめの方法としては、自分の所属している学校の卒業生であり、応募したい企業に現在勤めている人をLinkedn等で探します。
その後、Referralをお願いする旨のメッセージを送れば、Referralを貰うことができる場合があります。
念のため、複数人にお願いするのが良いでしょう。
注意点:
Referralをもらえた場合、企業への応募の仕方が変わり、Referralをもらった人専用のリンクから応募することになるため、一般の応募ページから応募してはいけません。
ただ、一般の応募ページから応募する場合、応募は早いほど有利であるため、Referralを待っていたが貰うことができず、一般応募も遅れてしまうというリスクがあります。
僕の友人(現在Amazon USのSoftware Development Engineer)は、一般応募の開始から一週間以内にReferralを得られなければ、一般応募ページから応募するというルールを決めていました。
2. 必要な情報を送る
Referralをくれる人が見つかったら、Referralに必要な情報を、その人へ送ります。
以下のような情報を送りましょう。
- 応募ポジションのIDや名前 (Job IDなどReferralを貰うポジションが特定できるもの)
- Resume
- メールアドレス
3. 専用応募ページよりポジションに応募
正しくReferralが貰えれば、応募したいポジションに社員からReferralが出たことを示すメールが届くはずです。

そのメールに記載されているリンクより、応募を完了してください。
さて、準備編はここまでです。いよいよ、インターン獲得までの流れについてみていきましょう。
インターン獲得までの道のり

ここからは、インターン獲得までに必要なステップと、その時期について見ていきます。
時期に関しては、僕の経験をもとに、コンピューターサイエンス系の夏インターンを探す場合のものを紹介しますが、
他の分野のインターンに関しても、インターン獲得までの流れは同じになるので、ぜひ参考にしてください!
インターン探しと応募

時期
まず、インターンを探し始める時期ですが、これは、インターンの募集開始の時期と同時に始めましょう。
基本的には、夏インターンがある年の、前の年の8月くらいからになります。(2026年インターンの場合、2025年の8月)
このあたりの時期から、Googleなどの大手のインターンが次々に募集を開始します。
ただ、企業やポジションによってインターン募集開始時期は大きく違うので、気になる企業があれば、定期的にチェックしておきましょう。
ここから、インターンが見つかるまで続けることになるので、人によっては、インターンの年の5月くらいまでインターン探しは続きます。
インターンへの応募自体はそんなに時間はかからないので、毎日気楽に続けましょう!
見つけ方
次にインターンの見つけ方です。
インターンの募集を見つけるために、日々いろいろな企業の募集ページを確認するのは非常に大変で、非効率的です。
そこで、僕の実体験や、実際にインターンを獲得している友人から聞いたおすすめの方法をいくつか紹介していきます。
- インターン募集がまとめてあるページを利用する
- 学校経由での企業からの募集ページを利用する
- キャリアフェアで探す
この3つについて、それぞれ簡単に紹介していきます。
インターン募集がまとめてあるページを利用する
まず、最もおすすめの方法のひとつで、ほぼすべてのアメリカ学生が行っている方法は、
インターン募集をまとめてくれているページから、インターンの募集を日々確認する方法です。

例えば、このページは、Simplifyという仕事探しアシスタント会社がまとめているページで、
各ポジションが募集された瞬間に追加され、募集開始の確認をいち早く知ることができます。(無料)
このページはテック系のインターンしかまとまっていませんが、他の分野のインターンでも同じようなページがあります。
いくつかピックアップしてまとめておきます。(2025年版以降の年も、同じようなページが作られています。)
- (テック系) Summer 2025 Tech Internships by Pitt CSC & Simplify
- (ビジネスアナリスト) Daily Intern Jobs in Business Analyst by Jobright.ai
- (コンサルタント) Daily Intern Jobs in Consultant by Jobright.ai
- (マーケティング) Daily Intern Jobs in Marketing by Jobright.ai
これらのページから、インターンを見つけて、応募していきましょう!
学校経由での企業からの募集ページを利用する
次にご紹介するのは、学校経由で企業の募集を確認する方法です。
就職に力を入れている大学の多くは、独自の企業募集まとめを作っており、
その大学のアカウントを使って、企業への応募ができる場合があります。

例えば、有名なのはHandshakeというサービスで、学校が契約している場合、学校のアカウントを使ってログインし、
募集中のポジションを確認することができます。
Handshakeでは、学内バイトのポジション等の募集も見ることができるため、導入している学校が多いです。
学部によって使っていない学部があったりするので、学校側への確認が必要ですが、とても便利なサービスの一つです。
その外にも、学校独自の募集掲示板を作っている場合もあります。
例えば、ジョージア工科大学ではCareer Buzzという学校独自のページがあり、インターン等を見つけることができます。

これらのサービスは、学校のキャリアアドバイザー等に相談すると紹介してもらえるので、一度予約を取って話に行ってみましょう。
キャリアフェアで探す
最後におすすめしたいのは、キャリアフェアに参加することです。
アメリカの多くの大学は、独自のキャリアフェアを開催しています。

例えばジョージア工科大学では、各学部ごとのキャリアフェアが毎学期開催されています。
毎回、100社以上の企業が参加し、学生はコネクションを作ることができます。
だいたい採用担当としてきている人は、その学校の卒業生なので、話しやすいと思います。
キャリアフェアでの立ち回りとしては、気になる企業のブースで説明を聞いたり、
採用担当の方に直接、2分程度の間で自己紹介をしてレジュメを渡し、自分をアピールしたりできます。
企業によっては、そのままポジションに応募できる場合もあります。
また、大企業の採用担当に自分のレジュメを添削してもらえるので、レジュメをさらに良いものにするチャンスです。
準備物として、レジュメは20枚以上印刷して持っていきましょう!
また、基本的にはスーツでの参加です。
応募
インターンを見つける方法がわかったら、次は応募です。
インターンを獲得するにはとにかく沢山応募することが大切です、あまり選ばず、どんどん応募しましょう。
応募はそんなに難しくなく、準備物のところで準備したレジュメを提出し、
その他必要な質問に答えていけば、応募することができます。
留学生にとって重要ないくつかの質問と答えをご紹介します。
- Are you legally authorized to work in the United States? (アメリカで合法的に働く権利がありますか?)
- これは、正規f-1ビザ留学生の場合はCPTでインターン可能なので"Yes"で大丈夫です。
- Will you now or in the future require visa sponsorship? (今、または将来的にビザスポンサーが必要ですか?)
- これは、インターン後にリターンオファー(新卒内定)をもらい、入社するとしたら、ビザのスポンサーが必要な場合は"Yes"と答えます。
- 基本的にf-1ビザ留学生はOPTの後必要になるので"Yes"と回答しましょう。
- これに関しては、面接でも多くの場合確認されるので、OPTが何年分あるか等の説明は、そこでしましょう。
最後に、企業への応募にあたって、ちょっとおすすめのサービス(無料)をご紹介します。
"Simplify Copilot - Autofill job applications"というサービスで、Google Chromeの拡張機能になります。
これを使うと、企業応募時、必要な情報の入力を自動で行ってくれます。
また、面白いのは、自分のレジュメのうち、このポジションに取って重要なワードがどれくらい入っているのかも、
自動的に判定してくれます。
多くのレジュメはAIにて判定されるため、重要なワードが多く入っているほど、有利となるでしょう。

この例の場合、このポジションに必要なワードは23%しか入っておらず、このポジションにとっては、あまり良いレジュメとは言えません。
パーセンテージが高ければ必ずしも良いとは限りませんが、自分の経験とポジションのマッチ度を見る一つの目安になるかと思います。
是非ご活用ください!
Tips
応募編の最後に、いくつかのTipsをお届けします!
- とにかく沢山出す
現在、ビザでの留学生のインターン獲得難易度がどんどん上がっています。
そんな中で少しでも確率を上げるために、インターンにはとにかく沢山出しましょう。
目安でいうと、学部生なら、500から1000ポジションくらいは応募する気持ちで良いと思います。
(それ以上の学歴なら、もう少し難易度は下がります)
アメリカ人でも100ポジション以上は応募しろと言われるので、留学生は、それ以上に応募しないと、
そもそも面接までたどり着けません。
そのためには、日々募集を確認し、募集開始があるたびに、応募していきましょう!
- レジュメの添削をしてもらう
いくらたくさん応募したとしても、良いレジュメが無ければ、書類選考通過率は大きく下がります。
実際の採用担当の人や、行きたい企業で働いている先輩などに添削をお願いしましょう。
キャリアフェアや、学校のレジュメ添削イベントなどで添削してもらえます。
レジュメは全ての企業に出すことになるため、良いレジュメを作る優先度はかなり高いです。
- 難易度が高いので、思いつめすぎない(半分運)
何度も言及しているように、留学生のインターン獲得難易度はかなり高く、
僕もサマーインターンに参加しましたが、留学生での参加者はほとんどいませんでした。
そもそも、企業インターンとは、その後の雇用を視野に入れて行われるので、
将来的にビザが必要になる留学生にとっては、いくら優秀でも、ほとんどは運になります。
あまり思いつめず、受かったらラッキーくらいで応募していきましょう!
Online Assessment (Webテスト)

さあ、いざ書類選考が通ったら、次のステップはOnline Assessment(Webテスト)です!
ポジションに応募した日から、一週間ほどで書類通過とOnline Assessmentへの誘導のメールが送られてきます。
Online Assessmentとは
Online Assessmentとは、日本の就活でいうところの、Webテストにあたります。
メールで送られてきたリンクから、1時間ほどのオンラインテストを受け、技術力や本人のポジション適正を見ます。
このテストには、主に2つの種類があります。
- Tech Assessment (技術テスト)
- Behavioral Assessment (行動テスト)
それぞれについて簡単に解説と、対策の仕方をご紹介していきます。
Tech Assessment (技術テスト)
まずは技術テストです。
こちらは、基本的に技術職であれば必ずあると考えてください。
内容は、その応募したポジションで働くために必要な知識があるかどうかを確認するテストで、
学校の試験のような知識問題、コーディング試験、デバッグ試験等、ポジションに応じていくつか種類があります。
その中でも、ソフトウェア系のポジションであれば、コーディング試験が最も一般的です。
今回は、ソフトウェア系のポジションを目指す方向けのコーディング試験対策方法も簡単に触れておきます。
(コーディング試験が無いポジション志望の方は、飛ばしてください。)
そもそも、コーディング試験とは、プログラミングの問題が与えられて、それをアルゴリズムを使って解く試験のことで、
学校の座学だけでは対策が不十分なので、必ず対策が必要です。
対策方法をいくつかご紹介します。
- LeetCode

まずは最も有名なLeetCodeです。
LeetCodeは、コーディング試験に出そうな問題、また過去に出た問題を練習することができるサービスです。
オンライン上で、コーディングして、提出、採点してもらうことが出来るため、ほぼ実際のコーディング試験と同じ内容を練習できます。(無料)
解けるようになるべき難易度は企業やポジションによって違いますが、
一般的には、EasyからMediumくらいの難易度を解ければインターンや新卒レベルでは問題ないと考えられています。
ただ、練習できる問題が数千あるため、どこから始めれば良いか分からないと思います。
そんな時におすすめなのが、NeetCodeというサイトで、LeetCodeで練習すべき問題をピックアップしてくれています!
こちらも是非ご活用下さい。
- HackerRank
ほぼサービス内容はLeetCodeと同じですが、企業のOnline AssessmentはこのHackerRankのサービスを利用して送られてくることが多いです。
そのため、HackerRankで練習しておくと、本番で同じ問題に出会う可能性があります。
ただ、圧倒的にLeetCodeのほうがコーディング練習としての人気は高いです。
Behavioral Assessment (行動テスト)
まず、このOnline Assessmentがあることは稀であるため、場合によっては読み飛ばしてもらって大丈夫です。(Amazonでは必ずあります。)
Behavioral Assessment (行動テスト)は、いろいろなビジネスでの状況に応じた、あなたの行動のテストで、
日本の就活ではあまり見ないかもしれません。
問題としては、例えば、「絶対に終わらない量のタスクが上司より割り振られた時あなたならどうしますか?」のような問題で、
回答は基本的に、いくつか与えられた行動から、自分の正しいと思う行動を選みます。
「まずは上司にありのままの現状を伝える」等が選択肢の一つになります。
もちろん正しい答えなどなく、あなたがその企業の求めている人材像がどうかを見ることが目的の試験で、
どんなに優秀な人でも、企業の求める人材と違えば、容赦なく不合格になる残酷な試験です。
対策としては、それぞれの企業が出している理想の人材像やリーダーシップ像を頭に入れ、自分が働いた時のイメージをシミュレーションしておくことくらいでしょう。
例えばAmazonでは、リーダーシッププリンシプルというものを出しており、これが入社に必要だと明言しています。
リンク:Amazon Leadership Principles (リーダーシップ・プリンシプル)
面白い内容なので、参考に一読してみると良いかもしれません。
さて、Online Assessmentの解説はここまでです。お疲れさまでした!
ここまでの選考を突破した皆様は、すでにアメリカ就活のエキスパートになってきていると思います。
いよいよここからは面接になり、運ではなく実力でインターンを勝ち取るフェーズに入ってきます。
面接

ここから、インターン獲得への最後の難関、Interview (面接)について解説していきます。
留学生にとっては、半分運で決まるような書類選考とは違い、
面接からは、基本的に実力があれば合格し、無ければ不合格という分かりやすい選考になります。
面接は基本的にすべてオンラインで行われ、面接の内容は、基本的にこの二つです。
- Technical Interview (技術面接)
- Personal Interview (個人面接)
どちらも、Online Assessmentのセクションで解説した内容の面接バージョンになります。
面接の回数は、企業によってかなりバラバラですが、この二つの内容の面接が最低一回ずつはあります。
多いところでは、面接10回近く行う企業もありますが、だいたいインターン選考なら、1~3回程度です。
それぞれの面接について見ていきます。
Technical Interview (技術面接)

Online Assessmentでの技術テストの面接バージョンです。
例えば技術的知識の質疑応答や、画面共有をしながらのコーディング等です。
技術的知識の質疑応答に関しては、自分の知らないかなり深い部分まで質問してくる場合が多いです。
そんな時は、下手に繕うのではなく、自分の持っている知識から、できる限りの回答をしましょう。
面接官側は、すべての質問に答えてほしいと思っているわけではなく、どの程度の知識があり、
そこからどのように考えて答えを導き出せるのかを見ている場合が多いので、分からなかったからといって焦らなくても大丈夫です。
コーディング面接についても少しふれておきましょう。
前回のOnline Assessmentと違って、面接では面接官により、口頭での問題が出される場合が一般的です。
その後、面接官にもよりますが多くの場合、解き方やその解法による計算速度についての話し合いをします。
そして、ある程度まとまってきたら、面接官から共有されたオンラインエディタ上でコーディングします。
この時、プログラミング言語は自由に選んで問題ないですが、文法の自動チェックなどがない場合もあるので、
自分が一番自信のある言語を選びましょう。
対策方法に関しては、Online Assessmentと全く同じ(LeetCode, HackerRank)ですが、面接独特の臨場感に慣れておきたい方は、
友人等に面接官になってもらって模擬面接をすることもおすすめです。
Personal Interview (個人面接)
個人面接に関しても、Online Assessmentと同じものが、質疑応答に変わったものになりますが、
面接の場合は、自分のするべき行動を説明した後、実際にその行動をした過去の経験に関して話せと言われます。
「絶対に終わらない量のタスクが割り振られた時あなたならどうしますか?」というような内容で聞かれた場合、
それを実際の学校でのチームプロジェクトで起きた出来事等で置き換えて、説明する必要があります。
対策として、過去自分がぶつかった壁や、その時に乗り越えた方法、学んだことなどの自己分析をしておくことが大切です。
こちらも、その時の状況をかなり深くまで深堀られる事があるので、自己分析もその分深くしておきましょう。
自己分析に関しては、日本の就活に似ているといえます。
ここまでお疲れさまでした!
すべての面接を通過すればいよいよインターン内定になります!
インターン参加承諾

インターンの全ての選考ステップに通過すると、ついにインターン合格のメールを受け取ることになります。
インターンの参加受諾には、かならず期日があり、その期日までに必ずインターン参加承諾するかどうかの回答をしましょう。
インターン参加承諾の返答をしなかった場合、ほかの人が代わりに合格になり、自分の枠は取り消されてしまう場合があります。
もし、複数のインターンに合格した場合は、参加しないポジションの採用担当へ辞退のメールも忘れずに送りましょう!
紹介:ビッグテックインターン福利厚生について
ここでは、僕の参加していた企業の夏インターンの福利厚生についてご紹介します。
モチベーションを上げるためにも参考にしてみて下さい!
- 給料:有給 (結構多いです)
- 家代:企業負担
- インターン先への移動代(飛行機代):企業負担
- 通勤代:企業負担
- 勤務時間:平日8時 - 17時
- 勤務場所:シアトル
- その他:毎日カフェのコーヒー1杯無料!
また、毎週木曜日にハッピーアワーというイベントがあり、その日だけ皆16時に仕事を切り上げ、会社が用意してくれたお酒やピザを楽しむというものがありました。
そして、最高の仲間たちと学ぶことができる環境は、普段の授業だけでは得ることができない最高の"福利厚生"だったと感じています。
おわりに
長くなりましたが、アメリカインターン獲得までの流れは大体こんな感じになります。
応募してから、インターン獲得までに早い企業は2週間前後、長いと数か月かかる場合もあります。
学校の勉強と両立しながらのインターン探しは、時間的にも精神的にもかなりストレスがかかるかと思いますが、
アメリカでの長期インターンの参加は自分のキャリアにとって、とても大きなイベントです。
僕自身、インターンを通して、今後のキャリアで使える実践的な技術力だけでなく、素晴らしい仲間たちとのコネクションなど、
多くのことを得ることができました。
ぜひ皆さま挑戦してみてください!