全員必須!F-1学生の確定申告

納税申告書類について

F-1ビザの学生は納税申告書を国税庁(IRS)に提出する必要があると、年始に大学の留学生課から通知が来ている学生が多いと思われます。これはアメリカ国内での収入の有無に関係なく全員必須です!

特に将来、アメリカで就職・駐在したい方、OPTなどを利用したい方については今後のImmigrationの手続きで不利にならないために期日までに確実に提出しておきましょう!!

チューターや学内バイトの収入がある方と特定の奨学金を受け取った人(後述)は、年明け頃に前年分のW-2 Formという給料明細が自宅に届きますので、大切に保管していてください。また、大抵の場合、大学やOPT/CPT先に電子送付にしてもらうことも可能です。

アメリカ国籍・居住者とはTax Returnのやり方や控除の条件が違うため、アメリカ人の友人に質問したり手伝ってもらったりすると誤った手続きをしてしまうことがあるので避けましょう!!

※ほとんどのF-1留学生はNon-resident Aliens (非居住外国人)とみなされ、長期休みなどに日本で行ったアルバイト等(日本で発生し日本の銀行口座に入る給与)については、この納税申告とは関係ありません。

対象者

  • 全てのF-1ビザ学生。収入の有無は関係なし!!
  • 収入がなしの場合は6/15までに前年の1-12月分の確定申告のフォーム(Form 8843のみ)を記入し、郵送でテキサス州オースティンの国税庁に提出
  • 収入ありの場合は、確定申告(Form 8843とForm 1040NR)と納税も共に4/15まで
    • それ以降は日毎の滞納料金やペナルティが加算される!

収入の有無別での手続き

収入なしの場合:

  • Form 88431点を紙で郵送
  • 6/15までに必着
  • 書類準備の項目までスキップ :こちらをクリックして作業開始!

収入ありの場合:

  • Form 88431040NR (or 1040NR EZ)の2点を提出
  • 4/15までに必着かつ納税完了
  • 税金や還付金の計算方法
    • Non-Resident専用の有料ツールであるSprintaxGlacier Tax Prepの使用を推奨
      • 自力で計算して書類を作成することはほぼ不可能
      • Sprintaxは大学によってはDiscount Codeあり (UCSDの例Georgia Techの例)
        • 大学によっては留学生課に申請して数日後にCodeを受け取るシステムになっている
      • Glacier Tax Prepは、大学・条件によっては無料で使用できる (UC Berkeleyの例)
        • 『その大学でのon-campus paymentのみに使用できる(編入前の大学でのon-campus paymentは不可)』、『期限までに申込した人のみ』などの条件あり

課税対象となる奨学金や助成金

学業・研究などで支給されたScholarship (奨学金)やGrants (助成金)のうち

課税対象
  • 宿泊費、食費、研究費、交通費、その他経費
非課税となるもの
  • 授業料、教材費用、その他必要な機器の購入経費

詳細はこちら

Form 1040NRをE-File(電子申告)できる条件

  • SprintaxでのInternational StudentのE-fileはIRSから承認されている:詳細はこちら
    • 大学によっては留学生課がE-Fileを推奨している場合もあり:例はこちら
  • E-fileできない人の条件:詳細はこちら
    • E-fileできない場合:SprintaxやGlacier Tax Prepを元に作成した書類を印刷して、IRSに郵送
    • 該当者の例
      • ITIN (個人用納税者番号)を持っている人
      • 修正・再提出が必要な人
      • 2020年以前のTaxの手続き

有料ツール解説:Sprintax、Glacier Tax Prep、TurboTax

Sprintax:Federal TaxとState Taxの両方対応・電子申告可能

  • 申告の手数料(納税とは別)
    • Federal Taxが$54.95
    • State Taxが$49.95
    • 修正費用が$79.95
    • Post-Filing Support (提出後のサポート保証)がFederal/State単体が$20、セットで$30ほど
  • 記入するとForm 8843とForm 1040NRが電子送付できる
  • 大学によってはDiscount Codeを配布 (大学によっては取得申請に時間がかかる場合あり)
  • 電子申告の方が、郵送事故や日本一時帰国中に紙の書類でやり取りする必要がないためオススメ!
    • 電子申告できない人の条件はこちら

Glacier Tax Prep:Federal Tax (連邦税) 専用

  • 申告の手数料(納税とは別)
    • $49
    • 大学・条件によっては無料
  • 計算後に自身で書類を紙で郵送 (電子ファイリング機能はなし)
  • 州税についてはSprintaxで州税が課税されているかを確認する必要がある
    • 電子ファイリングする手前の課税額や還付金額を見るまでは支払いなし
    • Progressが保存されてログインすれば見返せる
    • State Taxで課税・還付金があればSprintaxでお金を払ってファイリングする必要あり

TurboTax:“税務上のResident Aliens”となっている人のみ

  • 確定申告の対象年度において、アメリカ滞在歴が5年目以降』で特定の条件を満たしている場合、税務上はResident Alien (居住外国人) になるためTurboTaxを使用可能:条件を確認
  • 例:2024年1~12月で、アメリカ5年目以降の場合:2025年4月15日〆切の2024年度の確定申告ではTurboTaxを使用できる可能性があり
  • TurboTaxで税務上のResident Aliensとして確定申告する方が還付金が多く返ってくる可能性がある

税額・還付金額について

W-2のFederal/State Tax Withheldという項目を確認してみてください。

企業でのOPT/CPTの場合は給与から引かれていることが多いですが、学内バイトだと大学のPay Roll Officeで処理されているか不明です。

"2 - Federal income tax withheld"と"17 - State income tax withheld"に額が記載されていれば、給与からすでに差し引かれています。差し引かれていない場合は、自分で納税する必要があります。

※ 差し引かれていてもそうでなくてもFiling (確定申告) をすることが必要です。

引かれていない場合

  • Federal Tax:多くの留学生が支払いが求められる
    • 累進課税のため収入額にもよるが、最低課税率は収入の10%〜
    • 一部の国籍の学生には控除あり (日本人は該当しないパターンがほとんど)
  • State Tax
    • 州と収入額による (所得税のない州もある)

※ どちらともSprintaxで確認することを推奨

引かれている場合

  • Federal/State Taxから還付金が返ってくる場合あり
    • OPT/CPTで稼いで税金が引かれている場合は特に!
  • Sprintaxで確認することを推奨

税金の納付方法

  • IRSのウェブサイトからオンラインで行う
    • 銀行からの振り込みやクレジットカードなど
  • 1040-Vの納付書と一緒に小切手を郵送する

確定申告の郵送での書類準備

書類のダウンロード

郵送で申告する場合の注意点:署名は手書きで!

Formの最後に書かなければならないSigniture (署名)は、印刷した紙のFormに"手書き"で書くこと!

PDF Editor上での電子署名だと無効になり再提出が求められます。

Form 8843 記入例

全員共通の Form 8843の記入例はこちらです。紙で印刷して提出する場合:署名は手書きで!!

(F-1ビザ以外の方については以下の記入例では完全に一致しませんので、ご自身のビザに合わせて正確な記入方法をお調べください。)

1ページ目:個人情報の記入
2ページ目:署名と日付のみ

封筒のサイズ

  • 10号の封筒がA4・レターサイズの用紙を三つ折りで入れるのにぴったり (4 1/8インチ × 9 1/2インチ、10.4 cm × 24.1 cm)
  • Targetなどで1~3ドルで数十枚入りを購入するか、郵便オフィスやFedExでは1枚単位で購入可能

宛先 (Internal Revenue Service アメリカ国税庁)

Department of the Treasury

Internal Revenue Service Center

Austin, TX 73301-0215

郵送できるところ

  • UPS Store ··· 郵送・トラッキングが確実だが、少し割高。(1通あたり、1~2ドルほど)
    • DVC近くのUPS Store:52 Golf Club Rd, Pleasant Hill, CA 94523
  • USPS (United States Postal Service) ··· アメリカの郵便局。一番安いがトラッキングの悪さは郵送事故の多さから、〆切間近の場合や収入ありFormの場合は自己責任
    • DVC近くのUSPS : 1945 Contra Costa Blvd, Pleasant Hill, CA 94523
  • FedEx ··· 割高だが、確実に安心

この記事のサマリー

  • 収入なしでも Form 8843の記入はマスト!
  • 収入がある方は自力で税額や控除を計算して正確な書類を作成することはほぼ不可能 & ミスによる罰金や滞納料金の方が高額になりがちなので、有料ツールを使うのが確実
    • 学内バイトをしていた方:~1000ドル程度の低額の所得でも、Federal Taxの方は課税対象になる可能性が高いのでツールで確認
  • Sprintaxは書類作成・電子申告するタイミングで支払いが要求されるので、『アカウントを作って基本情報を記入し、Federal/State Taxの有無と納税額・還付金額を確認する』までは無料でできる!
  • Federal/State Taxともに計算できて電子申告ができるSprintaxがおすすめだが、個人の条件によっては郵送のみでしか提出できないので要確認
    • 紙で出す場合は、署名の部分は手書きで書くこと!!
  • 大学もTax Returnの基本的な情報や申告ソフトウェアのDiscountは出していますが、税務上のサポートはしてはいけないことになっているのであまり頼れない
  • 居住者と非居住者で必要なForm、電子申告のツール、控除条件が違うので、アメリカ人の友人からアドバイスを受けることは避ける

収入があってもなくても、今後の入国やビザ更新・申請のトラブルを避けるためにアメリカに滞在した年度分の確定申告をきちんとしておきましょう!

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