大学紹介:Diablo Valley College
はじめに

アメリカには、質の高い教育を受けられる大学やカレッジが数多く存在します。
特にコミュニティカレッジは、4年制大学への編入を目指す留学生にとって、重要なステップとなることがあります。
今回の記事では、カリフォルニア州にある著名なコミュニティカレッジの一つ、ディアブロバレーカレッジ(DVC)について、その特徴や留学生活に関する情報をご紹介します。
ディアブロバレーカレッジの特徴
ディアブロバレーカレッジ(DVC)は、カリフォルニア州コントラコスタ郡のプレザントヒル(Pleasant Hill)にメインキャンパスを構える公立コミュニティカレッジです。サンフランシスコ・ベイエリアの東部に位置し、サンラモン(San Ramon)にもキャンパスがあります。
DVCは特に、距離が近いカリフォルニア大学(UC)バークレー校をはじめとするトップレベルの4年制大学への編入実績が高いことで知られています。カリフォルニア州内だけでなく、全米でも最大級のコミュニティカレッジの一つであり、多様な学術プログラムと職業訓練プログラムを提供しています。多くの留学生が、UCやカリフォルニア州立大学(CSU)システムへの編入を目指してDVCで学んでいます。
設備面
Diablo Valley College(DVC)は、学生の学習をサポートする設備が非常に充実しています。キャンパス内には広々とした図書館や、最新の機器が揃ったコンピューターラボ、グループワークや自習に利用できる学習スペースが整備されており、学生は自由に使用することができます。また、キャンパス全体が開放的で落ち着いた雰囲気のため、集中して勉強できる環境が整っています。
通学方法
通学手段としては、車や電動スクーター、自転車を利用する学生が多く見られます。キャンパス周辺には駐車場やバイクラックも設けられているため、通学がしやすい点も魅力です。一方で、少数ではありますが、公共バス(County Connection)を利用して通学する学生もいます。交通手段が多様に選べるため、自分の生活スタイルに合わせた通学が可能です。
留学生へのサポート
DVCには、International Students Admissions and Services (ISAS) オフィスがあり、留学生の入学手続きからビザ関連の相談、学業や生活に関するアドバイスまで、包括的なサポートを提供しています。オリエンテーションやワークショップなども開催され、留学生がスムーズにカレッジ生活に適応できるよう支援しています。
DVCは非常に多様性に富んだカレッジで、世界中から多くの留学生が集まっています。学内には多数のクラブや組織があり、授業外での交流を通じて友人関係を広げることができます。
DVC生の進路
DVC生の多くは、4年制大学への編入を主な目標としています。DVCには充実したトランスファーセンター(Transfer Center)があり、編入専門のカウンセラーがUC、CSU、私立大学への編入計画をサポートしています。
特にUCへの編入希望者向けには、編入保証プログラム(Transfer Admission Guarantee, TAG)に関する情報提供やワークショップが頻繁に開催され、多くの学生がこれを利用して目標の大学への編入を果たしています。UCバークレーをはじめとするトップ校への高い編入実績は、DVCの大きな強みです。
一部の学生は、短大学士号(Associate Degree)を取得して特定の職業分野に進んだり、職業訓練プログラムを修了して就職したりします。キャリアセンターでは、就職活動に関するサポートも提供されています。留学生がプログラム修了後にOPT(Optional Practical Training)を利用してアメリカで働くことも可能ですが、コミュニティカレッジ修了後のOPTは期間が限られるなど、学士号取得後とは異なる点があります。
学生・授業の特徴
DVCの学業面では、4年制大学への編入を強く意識したカリキュラムが特徴です。多くの学生から、教授陣は教育熱心で、学生へのサポートも手厚いとの声が聞かれます。クラスサイズは、大規模な4年制大学の基礎クラスと比較して小さい傾向にあり、教授との距離が近い環境で学ぶことができます。
一方で、大学レベルの学業に備えるため、授業の準備や課題は相応の量が求められます。特に編入を目指す学生は、高いGPAを維持する必要があるため、計画的な学習が不可欠です。
DVCには、無料のチュータリングセンター(例:Math Lab, English Lab)やアカデミックカウンセリングなど、学生の学習を支援する体制が整っています。
お金事情

現在の学費 (2025年度の最新)
2025-2026年度のDVC留学生向け年間費用の概算
・授業料:$3,066 (12単位、1単位あたり$438として計算)
・食費及び居住費(ホームステイの場合):$11,700
・教材&学用品費:$1,854
・交通費:$1,238
・個人的な雑費:$3,030
・必須医療保険料:$1,889
年間合計費用(目安):$30,223
スカラーシップ
現地のスカラーシップもあります。DVCは公立であるため留学生への返済不要のスカラーシップは少なく額も少なめではありますが、チャンスがゼロというわけではないのでこちらもご参照ください。毎年10月末から2月中旬にかけて申請フォームがオープンしています。(ただし、今後このような奨学金制度は大きく変動、縮小・閉鎖する可能性があるので、必要な場合は日本から受け取れる給付・貸与型の奨学金を得て学費の支払い能力を維持することが求められます。)
生活面
DVC周辺のハウジング事情
DVCには、UCバークレーのような大学寮はありません。そのため、DVCの学生の主なハウジングの選択肢は主に以下の二つです。
・ホームステイ:DVCが提携する機関などを通じて、地元の家庭に滞在する。
・シェアハウス:複数の学生でアパートを借りて家賃を分担する。
ホームステイの契約内容・費用
ホームステイは、DVCが提携しているDiablo Valley Homestayを通しての契約となります(2025年5月時点)。最初の渡米時には現地の銀行口座がない状態であることや内見ができないことから、日本から現地のアパートを直接契約することが難しく、実際に留学生課からはホームステイの案内が来るのでそれに沿って契約します。
2025年5月現在で食費や光熱費等全て込みで月に$1300となっています。一方で夏休みなど長期でアメリカを離れる場合、良心的なホストファミリーであればその期間の費用減額(食費・光熱費抜き等)を申し出てくれることもありますが、Diablo Valley Homestayでの契約上は月$1300なので、ホストファミリーの判断によります。最低契約期間は2ヶ月です。それ以降は更新日の30日以内に伝えれば、退去できます。
アパートでのシェアハウス
プレザントヒルや近隣のマルティネスなどのエリアは、バークレーと比較すると家賃相場はやや低い傾向にありますが、それでもベイエリアの物価水準を反映して高めです。例えば、アパートを2、3人でシェアする場合、一人あたり月$1000〜$1500程度が目安となることが多いですが、物件の条件や立地によって大きく変動します。一人暮らし用の手頃な価格の部屋(スタジオタイプなど)は、バークレー同様、あまり多くありません。個室は二つしかないアパートでも、リビングを区切って3人で住む人が多いです。
特に学期開始前は、住宅の需要が高まり競争率も上がるため、早めに探し始めることが推奨されます。DVCのISASオフィスが、ハウジングに関する情報提供やアドバイスを行っています。
DVC周辺に住んで良かったこと
DVC周辺(プレザントヒル、コンコードなど)に住むことの利点としては、比較的「落ち着いた郊外環境」であることが挙げられます。バークレーと比較すると、治安が良いとされるエリアが多く、静かな環境で勉強に集中したい学生には適しています。
また、大型ショッピングモール(Sunvalley Shopping Centerなど)やスーパーマーケット、多様なレストランも周辺にあり、生活に必要なものは容易に揃います。アジア系のスーパーやレストランも点在しており、食生活の面でも選択肢があります。物価は全体的にバークレーよりは若干低い傾向にありますが、カリフォルニア州の基準では平均的かやや高めです。
そのほかにも、DVCからSan Fransiscoまで公共交通機関で一時間程度なので、遊びに行くこともできます。
また、Japanese Association(日本人学生会)が主催するイベントでUCバークレーの学生と交流する機会があります。
DVC周辺に住む上での注意点
DVC周辺での生活における注意点としては、以下の点が挙げられます。
・公共交通機関の利便性:バークレー中心部ほど公共交通機関が発達しているわけではなく、バス路線や本数も限られます。キャンおあすや主要な場所へのアクセスが良い場所に住むか、自転車や自動車の利用を検討する必要があるかもしれません。
・郊外的な雰囲気:都市的な刺激や活気を求める学生にとっては、少し物足りなく感じる可能性があります。
ホームレスの問題はバークレーほど顕著ではありませんが、皆無というわけではなく、基本的な安全への注意は必要です。居住エリアを選ぶ際には、事前に周辺環境をリサーチすることが大切です。
まとめ
ディアブロバレーカレッジ(DVC)は、特にカリフォルニア大学バークレー校などのトップレベル4年制大学への編入を目指す学生にとって、非常に優れた選択肢となるコミュニティカレッジです。質の高い教育、充実した留学生サポート、そして輝かしい編入実績を誇ります。
ベイエリアの郊外に位置し、比較的落ち着いた環境で学業に集中しながら、着実に編入準備を進めることができます。4年制大学、特にUCやCSUへの進学を考えている留学生にとって、DVCはアメリカでの学業をスタートさせるための有力な候補となるでしょう。
