社会人・大学生の短期留学!エクステンションプログラムとは
はじめに
今回は大学生から社会人まで、語学や特定の分野で修了書を取得できるエクステンション留学について解説していきます。
この記事では、エクステンション留学とはどのようなものなのか、社会人として3ヶ月間、デジタルマーケティングでエクステンション留学を経験されたFumiさんの体験談をもとに紹介していきます。
はじめに:エクステンション留学とは?
アメリカの大学ではエクステンションプログラム (ExtensionまたはExtended Studies)が非常に人気で、これは正式に大学に入学していない一般の社会人のためにデザインされた教育プログラムのことを指します。領域も幅広く、語学研修からビジネス、IT、ホスピタリティなどについて学ぶことができ、大学教授やその分野で経験のある専門家が教壇に立ちます。
語学習得だけでなく、自身の専門分野でCertificate (修了証・資格)を取得できるため、おすすめの留学方法です。
期間は3ヶ月から9ヶ月(1学年分)あります。分野によって制限はありますが、1学年分である9ヶ月のコースを修了するとアメリカで働いて実務経験を積むためのOPT (Optional Practical Training)を取得することができます。
プログラムの多くは実務経験のある社会人が対象となっていますが、日本の大学に在学中の学生でも申し込みできるプログラムもいくつかあるので、応募要件を意味するEligibilityやRequirementという用語で検索・確認してみてください。
エクステンション留学インタビュー

Fumiさん
留学先:カリフォルニア大学サンディエゴ校
留学期間:2024年9月〜12月 (3ヶ月)
プログラム:デジタルマーケティング
留学までの経歴:日本の大学を卒業 ⇒ 日本国内で社会人
UCSDのデジタルマーケティングのプログラム詳細はこちら
留学の決断から準備・履修登録について
留学のきっかけとプログラム選びについて教えてください!
エクステンション留学に興味を持ったきっかけは夫がカリフォルニア大学サンディエゴ校(以下、UCSD)にMBA留学したことです。UCSDのこと、そしてエクステンションという制度があることを知りました。
プログラムの中からデジタルマーケティングを選んだ理由は、現在働いている会社での担当業務と重なる領域だったため、自身の今後のキャリアに直接活かせると思ったからです。
出願までの準備について教えてください!
エクステンション留学を決めてから、留学エージェント (iaeグローバルジャパン) の無料相談を利用して出願準備を進めました。
英語に関しては、仕事と両立しながら6~7ヶ月かけて勉強しました。最初はTOEFLでのスコア取得を目指して勉強していましたが、オンラインで負担の少ないDuolingoに切り替え、出願スコア達成まで7回ほど受験しました。私が応募したプログラムの場合はTOEFL 79、Duolingo 110(英検準1級程度)が必要でした。
出願のタイムライン
2023年6月 | 夫がUCSDへ留学しUCSD Extended Studiesに興味をもつ |
9月 | iae留学フェアに参加 |
10月 | iaeグローバルジャパンの担当者との個別面談(出願スケジュール等の相談) |
2024年1月 | 語学要件クリア |
2月 | iaeグローバルジャパンを通して、UCSDエクステンションに出願 |
3月 | UCSDからAcceptance Letter (合格通知)を受領 |
4月 | 留学生ビザ (F-1ビザ)を申請 |
8月 | 休職・渡米 |
9月 | エクステンションプログラム開始 |
2025年1月 | 帰国・復職 |
UCSD Digital Marketing Programの最新の出願準備・書類の情報は公式サイトから
履修登録などはどう進めましたか?
履修登録は大学のエクステンションプログラムのコーディネーターが授業を組むようになっていました。私の場合、5クラス15単位分を取りました。
- Digital Marketing
- Content Marketing
- Paid Search (PPC)
- Global Marketing
- Elements of Marketing
UCSD Digital Marketingの必須コース(最新Ver)
ちなみに提案されたコースが合わないと感じた時は、個別で面談を組んで再度組み直すことも可能のようです。
プログラム中の授業について
授業の内容やエクステンションの学生の勉強スタイルはどんなものでしたか?
かなり実践的な内容が多かったです。教授もその分野で経験のある方で、社会人が学べるものが多いクラスでした。全てのクラスでグループワークがあり、マーケティング戦略を考える現場で使うツールを利用してプロジェクトなどを進めていきます。期末試験も学部生のようなテストやリサーチペーパーとは違い、プロジェクトとプレゼンが多かったです。
1クラス6〜20人と少人数で、教授との距離が近くコミュニケーションが取りやすかったことがありがたかったです。クラスメイトは年代やキャリアも様々で、休学中の大学生・留学生、現地の社会人、アメリカ就職を目指している人など、自分とは異なるバックグラウンドを持つ方と関わりながら勉強できたこともとても良い経験になりました。
働きながら通っている社会人が多いプログラムなので、授業のほとんどが夕方から夜にかけて行われていました。日中は空いている時間も多かったですが、課題やプロジェクトは時間をかけて取り組まなければいけないものが多かったので、平日はほとんど大学の図書館で勉強していました。

日本の大学との違いはどんな部分ですか?
グループワークの多さです。日本の大学で講義とゼミで別れているのと違い、エクステンションではどの授業にもグループワークがあります。
全ての授業で、全米の大学で使われているCanvasというウェブベースの学習管理ツールを使用します。課題の授受や教授とのやり取りなどはCanvasを通して行っていました。
学業面で大変だった事や気付きはありますか?
プログラム中に痛感したのが言語の壁です。なかなか言いたいことをその通りのニュアンスで伝えるというのが難しく、もどかしさも沢山ありました。
通っている学生は多国籍で、グループワークをいかに効率よく進めるかということで苦労しました。日本人とディスカッションをするのとは違って、皆が理解している前提条件であったり、はっきり言わなくても伝わる暗黙の了解はありません。話し合いはゼロの状態でスタートします。
ただ、それがあったからこそ収穫も大きかったと思っています。全く異なる経験を持つ方とグループワークに取り組むからこそ、自分が知り得なかった視点や物事を学べる機会が多かったです。このような知識面以上に、クラスメイトの学ぶ姿勢と発信していく姿勢にも刺激を受けました。働きながらでも自分の目指す目標のために生き生きと勉強していて、はっきりと意見は言うけれども誰に対してもリスペクトと気遣いを忘れない人がとても多かったです。
また、グループワークや教授とのコミュニケーションを通して、日本でないからこそ気が付けたことは、日本人の勤勉さがとても信頼されているという点です。
サンディエゴでの生活について教えてください。
サンディエゴは程よく都会でとても生活しやすかったです。大学キャンパス周辺の治安も良く、ビーチやウォーキングトレイルなどの自然を感じられる場所もありながら、近くに色々な商業施設が集まっています。アジア系の食品で困ることはありません。
サンディエゴはゴルフメーカーで有名な町でゴルフ場も多いので、休日にはゴルフに行ったりもしました。
サンディエゴの一番好きなところは抜けるような空の青さです。このおかげで、本当に清々しい気持ちで日々の授業を頑張れたと思います。そして、ポジティブで明るい言葉をかけてくれる人が多かったことも印象的な思い出です。

留学を終えた今の思い
社会人として留学を経験した現在の思いを教えてください!
私自身、社会人となってから留学に来て本当に良かったと思っています。
実務経験を積み、仕事で解決したい現状と理想とのギャップ、自分が身につけたいスキル、関わる顧客から求められること等をはっきりと把握した上で、目標を持ってエクステンションプログラムを選ぶことができたと思います。
講義やグループワーク、教授とのやり取りを通して、これはあの仕事で悩んでいたこの部分に役立つかもしれない、この内容は実際の場面ではこういう風に応用できるかもしれないなど、学びと現実が繋がっているからこそ、モチベーションを高く保つことができました。
日本での大学時代にも留学を検討したことはありましたが、当時は学びたい事と留学の目的が曖昧で、最終的には実現しませんでした。留学を通して幅広く学んでやりたいことを探すことも一つの戦略として良いとは思いますが、自分とっては、学びたい事と自身のキャリアアップが直結するエクステンション留学が非常にマッチしていたと思います。
プログラム修了・復職後の目標を教えてください。
まずはプログラムを通して学んだことを、実務の場でしっかり実践して、生きた知識として自分自身に定着させたいと考えています。
日本とアメリカは異なる文化を持っており、学んだ手法のすべてがそのまま日本で上手くいくとは限りませんが、成功も失敗も経験しながら自社における最適なデジタルマーケティングの形を見つけたいです。
また、これからはデジタルマーケティングの分野が日本でもさらに注目されていくと考えています。そのような時代のなかで、デジタルマーケティング領域で課題をもつ企業や個人に対して、有益な助言ができる人材になるために、今後もデジタルマーケティング分野において自身の専門性を高める努力を続けていきたいです。
留学を考えている方へメッセージをお願いします!
私自身、エクステンションについて知るまでは全く留学について考えていませんでした。しかし、社会人でも留学できる制度を知って挑戦したいと思ってから、英語を勉強し、留学の相談会に参加したり、職場の人とも相談を重ねて実現することができました。働きながらの英語学習や渡米準備は大変でしたが、1つずつ進めていくことで遠かったはずの留学を実現することができました。
社会人留学でUCSDに来ると、クラスメイトには何歳になっても挑戦している人が大勢いるのでたくさんの刺激を受けました。難しそうな目標でも、ちょっとだけ背伸びをしながら頑張っていくと未来を変えることができます。
少しでもチャレンジしてみたい気持ちがあれば、ぜひ行動してみてほしいです。
