16歳で海外大学へ!?飛び級留学のすすめ
はじめに
不登校になった、日本の高校が合わなかった、でも英語は好き、海外で学びたい
—- そんな人に知ってほしい、新たな選択肢があります。それは、高卒認定試験をとって、早ければ16歳でアメリカのコミカレに進学し、そこから四年制大学に編入して学士号を取るという、日本の高校を飛ばして海外大学に行くルートのことです。
今回は、この「飛び級留学」の仕組みについて紹介します。
アメリカの“飛び級”制度とは
「飛び級」と聞くと、日本ではあまり馴染みがないと思います。
でも、実は実力主義で知られているアメリカでは、そこまで珍しいことではありません。
アメリカの高校では AP(Advanced Placement) クラスと呼ばれる、大学の一般教養レベルの授業を受けられる制度があります。
このクラスで取った単位は、そのまま大学の単位として移行することが可能です。また、Dual Enrollment や Early College Program といって、高校に通いながら大学の授業を受けられるプログラムもあります。
中には、高校卒業と同時に準学士号(Associate Degree)を取得して、結果的に2年や3年で大学を卒業できるケースも。
そのため、アメリカでは「飛び級」に対して、日本ほどの驚きを持つ人は少ないんです!
高卒認定でアメリカのコミカレに進学!?
アメリカのコミュニティカレッジ(通称コミカレ)は、ほとんどの場合高校を卒業していなくても入学することができます。高等学校卒業程度認定試験(通称:高卒認定、または高認) に合格すれば、「高校卒業と同等の資格」として認められ、飛び級で入学できることが多いです。
実際、出願条件として「高校卒業資格またはそれと同等の資格を持つ者、16歳以上」と書かれているコミカレが多く、必ずしも高校卒業済みや18歳である必要はありません。

たとえば、De Anza Collegeの International Student Admissionページでは、
18歳以下(授業初日に16歳以上)の学生は、高校卒業またはそれと同等の資格を持つことを証明すれば入学可能と書かれています。
ただし、未成年同意書の提出を求められる場合や、例外もあるので、出願前には必ず学校の International Services(留学生課) に問い合わせることがベストです。
多くの場合は、高卒認定試験の 合格証書・合格成績証明書、そして一年や二年でも高校に在籍していた場合はその成績を提出します。さらに、英語力(TOEFLやIELTSなど)の条件を満たせば入学できるケースがほとんどです。
その後は、コミカレから四年制大学へ編入することができます。
一部の大学や、出願時の単位数によっては高校の成績を求められることもありますが、ほとんどの場合はコミカレでの成績だけでOK。そのため、入ってしまえば実力勝負の世界です。
高卒認定試験とは?
「高認」といえば、日本の大学受験資格を得るための試験というイメージが強いかもしれません。でも実際には、海外の大学に出願するための資格としても使うことができます。文部科学省が年に2回実施(8月・11月)していて、正式名称は 高等学校卒業程度認定試験。受験年度の終わりまでに満16歳になる人、そして高校を卒業していない人(在籍中でもOK)が受験可能です。

試験科目は8〜9教科(理科の選択で変動)となっており、高校で取得した単位により一部科目の免除も可能です。また、英検準2級以上 を持っていれば英語も免除されます。
ホームページに明記されてはいませんが、合格ラインは各科目100点中40〜50点前後で、難易度は中学3年〜高校1年レベルと言われています。
合格すれば「合格成績証明書」にA(80点以上)・B(60点以上)・C(合格最低点〜59点)が記載されます。この成績証明書は大学出願時に必要になる場合もあるので、合格だけでなくAを目指すのがおすすめです。
秋学期からのコミカレ入学を目指すなら、前年度の8月か11月の試験で高認を取得しておくと安心です。合格後は英文の「合格証明書」と「合格成績証明書」を申請することができます(一通250円)。渡航先に提出するためにも、早めに申請しておくことがベストです。
高認取得からコミカレ出願までの流れ
- 日本で高卒認定試験に合格
- TOEFLやIELTSなど、大学が指定する英語試験でスコアを取得
- コミュニティカレッジに出願
- F-1ビザを取得
- 渡米・入学
- 2年間で準学士号を取得 → 四年制大学に編入、または二年次編入
上の通り、高卒認定を取得した後は、他の留学生とほぼ同じ手順です。
コミカレ入学後
コミカレに入学してしまえば、年齢は関係なく、高校を卒業して入ってきた人と同じように授業を受けて、四年制大学に編入することができます。
そして、四年制大学への出願時には、ほとんどの大学がコミカレの成績のみを重視します。
そのため、高卒認定からスタートしても、アメリカでは同じスタートラインに立つことができるのです!
そして、学費を節約できるというメリットもあります。
高校生の留学といえば、ボーディングスクール(寮制の私立高校)への進学や、数ヶ月から一年間の交換留学が一般的ですが、どちらも高額な費用がかかるのが現実です。
ですが、高卒認定を取得してコミカレに進学すれば、高校分の学費を節約できるうえ、
その後四年制大学へ編入することで、早く大学を卒業して社会に出ることも可能です。まだ日本ではあまり知られていないルートですが、
「英語には自信がある」「早く世界で学びたい」
と思っている高校生に、ぜひ知って欲しい選択肢です。
最後に
今回は、高卒認定を取得してアメリカのコミカレへ飛び級進学する方法について、紹介しました。
日本の高校が合わなかったり、不登校になってしまったとしても、「海外で学びたい」という気持ちがあれば、学ぶ方法はあります。
高卒認定をとってアメリカの大学に進学する、という新しい形の留学を視野に入れてみませんか?
