【留学体験記】Shasta College - Civil Engineering専攻 - Kotty

始めに

みなさんこんにちは!

日本人留学生の、留学を目指してから現在にいたるまでのリアルを発信する “留学体験記”シリーズ。今回はその第3弾です。

今回は、2025年5月にShasta Collegeを卒業したKottyさんにインタビューをしました!

プロフィール

グリフィフ天文台 in LA

  • 名前:Kotty
  • 年齢:22
  • 出身:兵庫県
  • 経歴:
    • 2021年3月 高校卒業
    • 2021年4月 NIC 大阪校入学
    • 2022年8月 Shasta College (シャスタカレッジ) 入学
    • 2025年5月 Shasta College卒業 - 短大学士号 (Associate's Degree) 取得
    • 2025年秋〜:Oregon State University - Civil Engineering専攻へ完全オンラインでの学部編入
    • 2026年春〜:就職(ゼネコン)
  • 専攻:Geology → Civil Engineering (2023年秋以降)

留学までの道のり

留学しようと思ったきっかけは?

昔からハリウッドに興味があり、セレーナ・ゴメスのインタビューを聞きながら英語や異文化に触れていたことが、海外への憧れが強まった一番最初のきっかけでした。

高校2年の頃、文理選択に悩み、将来の道をじっくり考えたいと思っていました。自分の興味のある分野と得意の強化がマッチせず、どのようなことを学びたいのか悩んでいました。また、日本の大学には強く惹かれる場所がなく、同調圧力の文化にも窮屈さを感じていました。自由な環境で幅広く学び、世界中どこでも生きていける力を身につけたいという思いから、留学を決意しました。

高校2年の秋にNICという海外大学の授業も受けられる語学学校の存在を知り、日本を出る意志がさらに強まりました。高校3年の5月に入学が決まり、事前授業を受けながら、海外での学びに向け準備を進めました。

留学を決めた時の周囲の反応はどうでしたか?

共通テストの勉強をしながらも、日本の大学に進学するかどうか迷っていた時期がありました。しかし、将来の目標や学びたい内容をじっくり考えた結果、最終的にアメリカへの留学を決意しました。

母は最初から賛成してくれましたが、親戚の多くは日本の大学進学を勧めました。そこで私は、留学を通してどんな学びが得られるのか、日本とアメリカの教育の違い、自分の将来像などを丁寧に説明しました。母の協力もあって、最終的には周囲も理解して応援してくれるようになりました。

コミカレ入学までどのように過ごしましたか?

アメリカの大学に進学するための準備として、私はNIC大阪校に通うことを決めました。NICはアメリカだけでなく、世界中の大学とつながりがあり、視野や進学の選択肢を広げることができると感じたからです。

特に、オリエンテーションの際に渡されたNIC創設者・廣田和子さんの著書を読んだとき、「英語が話せることで、世界中でどれだけ多くのことができるのか」とワクワクした気持ちを今でも覚えています。「この人が創った学校で、自分も学びたい」と心から思い、NICでの学びが始まりました。アメリカの大学へ進学するために、NICの大阪校に行くことを決意しました。

オーストラリア英語の先生とレベルの高い授業に苦戦しながらも、実践的な英語力を伸ばしました。初めての一人暮らしを経験し、母のありがたみを実感しました。NIC在学中はバイトをしながら自分のやりたいことを模索し、進学先を検討していました。

大学はどのようにして決めましたか?

理系分野に強く、フィールドワークや実践的な学びの機会が整っているアメリカの大学に魅力を感じていました。その中で、Shasta Collegeは自然環境に恵まれ、落ち着いた学習環境があることから、最初のステップとして理想的な場所だと考え、進学を決めました。私は「国際協力」や「多文化共生」にも関心があり、文化や価値観の異なる人々がどうすれば平和に共存できるのかを学びたかったため、様々な国籍の人が集まるアメリカは、自分にとって最適な学びの場だと感じました。

紅葉のShasta College

渡米後の道のり

現時点までの留学生活を振り返ってみてどうでしたか?

渡米して最初の3ヶ月は全てが新鮮で、毎日ワクワクして過ごしていましたが、それから徐々にホームシックになりました。日本の食べ物が恋しくなったり、アメリカのスモールトーク(世間話)文化や自己主張の強さなどコミュニケーションの取り方の違いに戸惑ってしまうこともありました。少しずつ英語が上達してコミュニケーションが楽になったことで、それぞれの文化の利点や欠点を自分なりに分析したり、文化のギャップを楽しみながら受け入れられるようになりました。さらにはルームメイトと仲良くなれたことや留学の目的を思い出すことで乗り越えました。

このホームシックでの最も大きな成長は、『この世に自分にとって完璧な環境がなんてなくて、全て自分次第なんだ』と理解できたことだと思います。

Whiskeytown Lake

メジャーはどのようにして決めましたか?

私は最初にGeologyを専攻しましたが、職業や学問としての将来像が描けませんでした。次にEnvironmental Scienceを考えましたが、就職の選択肢が限られると感じました。2年生の秋にCivil Engineeringに変更し、社会に直接役立つ仕事ができると実感しました。何度も専攻を変えましたが、その過程で多くの分野に触れ、自分の興味を深めることができました。遠回りしましたが、好きなことに時間をかけた経験は決して無駄ではなかったと思います。

ちなみにアメリカの大学では1〜2年生の間であれば専攻を変えることは一般的です。入学時に決めた専攻で卒業しなければならないという制限がなく、様々な授業を受けてみて最終決定をすることが多いです。ただし、専攻ごとの必修科目は必ず終わらせる必要があるため、変更によって在学期間が伸びてしまうこともあります。

履修登録や授業の取り組み方について教えてください

はじめは留学生のサポートが少なく、カウンセラーがあまりよくなかったので履修登録がとても大変でした。

4つともラボのあるクラスを取ることになりましたが、たくさん教授に質問することで、仲良くなりました。NIC時代は課題をギリギリにしていましたが、アメリカに来てからスケジュール管理をしっかりし、課題を早めに終わらせるようになりました。

Waters Gulch Trail

留学中の勉強の仕方やモチベーションの保ち方を教えてください。

留学中の勉強の仕方に関して、割と一般的なポモドーロなどを使い課題を着実にやっていくコツコツ型だったと思います。特に変わったことはしていませんでした。

勉強に対するモチベーションは、高いGPAを保ってアメリカで頑張ってきた記録を残したいという思いからきていたと思います。長い目で人生をみて、体力がある若いうちに頑張っておいてよかったと思いたい、後悔したくないという気持ちもあったと思います。

それから、自分の専攻とは直接的につながりのない一般教養などの授業でも、いつかその知識や考え方が役に立つような、将来その点と点が繋がる瞬間があるだろうとずっと思っていたので、好奇心を持って取り組むことができました。実際に日本での就職を前に、Economicsの授業などは、自身の目指してきた土木・建築業界でのお金の流れや国の経済との関係性をより深く理解する上で役に立ったと思います。

普段の生活について教えてください。

アメリカのコミュニティカレッジでは寮があるところは少数派ですが、ラッキーなことにShasta Collegeには寮がありました。寮でルームメイトとルームシェアをして生活していました。時間があるときは友達の家で勉強したり、遊んだり、ハイキングをしたり、お金が飛ばないことをしています。

ルームメイトと夜9時にクッキーを食べに行ったり、夜10時半にKFCをオーダーしたりして、ルームメイトと仲良くしています。

そのおかげで英語はすごくのびて、自然に話せるようになりました。数人仲の良い子ができて、段々とアクセントまで似てきたと指摘されることもありました(笑)

言語を通してアメリカの文化をたくさん吸収しました。

Shasta Lake

就活について教えてください。

卒業のちょうど1年前にあたる2024年の夏休みごろから徐々に就活について考えはじめました。専攻がCivil Engineeringであったため、ゼネコンという業界を考えていました。主にマイナビなどの就活の情報サイトから短期インターンなどを探しましたが、Shasta Collegeのように2学期制の大学は8月上旬から中旬には新学期が始まってしまうので、参加できる日程がほとんどない点が大変でした。最終的には海底ケーブルを取り扱う会社の1日インターンに参加して、船の内部構造から設置技術など、建設×インフラ業界について学んだことで、その業界への思いが強くなりました

8月からは学期が始まり、アメリカでオンラインの説明会を受けながら、企業研究をしていました。Associate(短大卒)での入社となるため応募資格を念頭に起きつつも、その会社がどういう技術で強みを持っており、どこで国内・海外のどこで事業を展開しているのか、会社自体のカルチャーの3点を重視していました。会社のカルチャーに関しては自分が成長できて主体性が活かせる環境であることに加えて、3年間アメリカ人しか周りにいないという環境にいたため、海外経験のある人材を避けるのではなく求めてくれている企業ということも大切にしていました。そして最終的に、インフラ整備に強みをもつ土木建築の会社に絞って選考を受け、内定をいただきました。今の心境として、入社後は着実に技術者として成長して、ODA(政府開発援助)の一環として海外事業、特にアフリカのインフラ整備に携わりたいと思います。

Associate (短大卒)という点で日本就活で進め方について気付きやアドバイスはありますか?

実際に金銭的・時間的な都合で、Associate’s Degree (短大学士号)のみを取得して卒業する日本人留学生もいらっしゃいます。

私自身、企業を見ていく中で、大手になるほど学士号以上が必要という理由で応募できなかったいくつか企業もありました。ただ、私が目指していた土木・建築・インフラという業界は、『経験工学』と呼ばれるほど、実務経験の蓄積と技術の継承を大事にする「入ってからが勝負」の分野だったこともあり、新卒での学位のレベルはさほど大きな障壁にはならなかったように思います。

後から留学仲間の友人と振り返ってみて気づいたことですが、まず第一に自分の志望業界を考えた上で、現在の専攻やアメリカで得た経験との親和性であったり、その業界がそもそも日本国内の高専・短大などAssociateと同等の資格をもつ方々を積極的に採用しているかどうかを確認しておくことは、Associateとして就活に進のか、Bachelorに進むべきなのかという決定をするための判断材料になるかもしれません。

Shasta Collegeにて

留学して一番成長した部分は何ですか?

留学して一番成長した部分は、自分をよく知ることができた点です。一人でアメリカに来て、さまざまな経験を通して自分を見つめなおし、マインドセットを良い状態に保つことの重要性を感じました。自分との向き合い方を学び、より良い関係を築けるようになったと思います。

留学の目的として、国や文化を学ぶことはもちろん大切ですが、「なぜ留学に来たのか」の明確な目的がないと、時に大変だと感じることもありました。自分が何を求めているのか、しっかり意識することが大切だと実感しています。

これからの意気込みと後輩へのアドバイス

2025年5月に卒業し、翌年の4月から就職しますが、キャリアアップや学士号取得のために学業自体は続ける予定です。2025年秋からは完全オンラインでオレゴン州立大学のコースに編入して、Civil Engineeringの学士取得を目指します。

これから留学に来られる方には、『留学は言語や文化を学ぶだけではなく、自己成長の場でもある』と伝えたいなと思います。最初は新しい環境に興奮しているかもしれませんが、その後、ストレスや感情の波に襲われることもあるかもしれません。だからこそ、自己ケアを大切にして、心と体をリフレッシュすることが重要です。

自分を大切にして、ポジティブなマインドセットで留学生活を楽しんでください!

番外エピソード

留学には直接関係ありませんが、『人生でいろんな旅をしよう。どの国でも生きていけるようになるんだ!』という思いから、高校卒業して運転免許を取る時にはあえてマニュアルで免許をとりました。内定をいただいた会社ではアフリカやオセアニア、東南アジアへの駐在のチャンスがあります。

そのようなマニュアル車がほとんどの国であっても、とりあえず自信を持って海外進出できるなと自負しています。英語や留学準備ももちろん頑張っていたけど、あえて大変なマニュアル免許を取ろうと決意した高校時代の自分に感謝を伝えたいなと密かに思っています。

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