REAL IDについて
はじめに
この記事の対象
- これから運転免許を取得する方
- 運転免許はいらないけど身分証明書を持っておきたい方
2025年の5月7日から、国内線に乗る時など、このREAL IDという連邦の基準に準拠した身分証明書の提示が求められます。REAL IDはDMV(Department of Motor Vehicles, 日本でいう運転免許センター)にて発行でき、運転免許証(Driver’s License, DL)を兼ねたREAL ID Cardも、運転免許なしのREAL ID Cardも作ることができます。
アメリカでは基本的に免許証を発行するのは各州であり、このような従来型のIDでは偽造などのセキュリティ対策上の問題が起こっています。9.11などのテロをきっかけに連邦基準での正当な身分証明に関する法律が強化され、2025年5月7日から国内線のフライトや連邦政府の施設に入る時などは18歳以上の全国民に対して、REAL IDが求められます。
カリフォルニア州の場合、REAL IDの右上に熊と星のマーク (写真左)がありますが、従来型の免許証・身分証明には “Federal Limits Apply” (写真右)と書かれています。州ごとにデザインの違いはありますが、右上に星のマークがついているものがREAL IDです。
REAL ID/DLを持っていないほとんどの留学生にとっては、アメリカ国内で使用できる有効な身分証明はパスポートのみになりますが、紛失・悪用などのリスクを考えると常時携帯はためらう方が多いかと思います。実際に紛失してしまった場合のリスクについてはパスポートの方が重たいため、通学時や外出時の常時携帯についてはREAL ID/DLの方が安全です。日常での携帯が目的であれば、従来型のDL/ID Cardでも問題ありませんが、これから取得される場合はより信頼度の高いREAL IDを選ぶことがおすすめです。
アメリカ国内で運転したい留学生についてはDLを取得することで同時に身分証明を取得することができます。運転の必要・予定がない学生については、DLなしでも身分証明を取得することができます。
DLありなしに関わらずREAL IDはどのような時に便利か
- 日常での身分証明の携帯(パスポートだと紛失した場合、他者に悪用されるリスクが高いため)
- 年齢確認が求められる時
- 国内線フライトの利用時 (※従来型では不可)
手順
※主にカリフォルニア州での手続きをベースとして解説します。細かい部分は各州のDMVのサイト等でご確認ください。
全員共通
- 居住している州のDMVのサイトにアクセス
- 指示に応じてDMVのアカウント等を作成
- Driver’s License/REAL IDのオンラインアプリケーション等を開始
- 必要情報を記入していき、必要書類をアップロード
- 留学生の場合
- パスポート
- ビザ
- I-94 (米国の出入国記録)
- 2通の住所証明:寮やアパートなどの集合住宅に住んでいる場合、PO Boxという郵送先ポストの番号のみでは不可。必ず建物名・部屋番号のあるPhysical Addressが記載されている書類を選ぶ。
- 留学生の場合
- Appointment/Confirmation Codeがメールで送られる
- (※必要であれば予約を取る)
- ただし予約枠は数週間先が提示されるので、現地での待ち時間が長くなるがDrop-Inの方が早い場合が多い。
- 必要な書類を印刷してDMVへ行く
- 既に持っている場合はSSN Cardが必要(あればW-2などでも可)
- この時、I-20も念の為に持参すること。サイトには必要書類に含まれていないが、カウンターにてどの学校期間に在籍しているかチェックされるパターンも。
- 受付カウンターにて整理券をもらう。
- Conformation/Appointment Codeのメールの内容によってはCustomer with Appointmentの列に並べますが、係員の指示に従いましょう。
- 手続きカウンターで必要書類の提示・記入情報の確認・指紋採取・支払い
- REAL IDのみ:$39 (2025月4月時点カリフォルニア州)
- Driver’s License:$45 (2025月4月時点カリフォルニア州)
REAL IDのみ
- REAL IDの場合は顔写真を撮影して終了
- 2-4週間後にカードが郵送される
Driver’s Licenseの場合
- 視力検査
- ペーパーテストの受験(4:30 PMに受付終了のため注意)
- 3回以上不合格となり、4回目以降を受ける場合は追加料金が発生
- 顔写真の撮影
- 仮免許(1年有効)を受け取る
- 州の規定に応じて、免許を持っている人(運転歴1年以上など制限あり)と練習
- (18歳未満の場合は州の規定に応じてDMVにて教習が必要な場合あり)
- 仮免許を取ってから1週間立つと実技試験を受けられるようになる(州の規定を確認)
- 合格後に免許を受け取る
2通の住所証明
PO Box (郵送先ポストの番号) のみでは不可で、Physical Address(番地・建物番号・部屋番号)が含まれる2通の住所を証明できる書類が必要です。以下に留学生が使用できそうな代表的な書類をリストアップしています。
- Bank/Financial Statement: 銀行口座やクレジットカードなど月々の利用明細
- Rental Agreement/Leases: アパート、ホームステイ、寮などの契約書類
- Utility Bills: 光熱費などの請求書(州によってはスマホの通信料金の請求書でも可)
- Medical Document: 病院や大学のメディカルセンターで発行されるSummary of Visit (通院記録)や予防接種証明など
- Insurance Document: 保険の請求など
- Employment Document (W-2等): 学内バイトやOPT/CPTインターンの給与明細
- IRS (国税庁)など公的機関からの郵送物
- Change of Address confirmation by the US Postal Service (USPSなど)
- School Document: ※「生年月日を含み、公立校での州居住者の学費の請求であること」といった制限があるため、留学生だと使用できない可能性がある
参照&画像: “What is REAL ID?” by California DMV
必要書類の公式のチェックシート